(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

指導関連 実習関連 考え方

#95 学生の症例発表は現職者の優位性を示す場ではない

症例発表は学生にとって緊張するイベント?

学生の実習における症例発表というのは、学生にとって緊張するイベントのひとつだと思います。「完璧に出来たので聴いて下さい」という学生はそうそう居ないでしょうから、不安を抱えながら発表することが殆どかも知れません。

そもそも学生でなくても、完璧な臨床と完璧な症例発表なんてものは、ないといっても過言ではないと思います。ましてや学生となるとなおさらです。

患者さんを担当している中で、後から「あれをやっておけば良かった」「これを確認してなかった」といったことは、どんどん出てくると思います。これはいざ臨床をする立場になれば、このようなことはないかと言えば、程度に差はあれど、あると思います。

反省点がない臨床が出来れば良いのかも知れませんが、完璧ではないのに完璧だったと自負して反省点がないということであれば、成長しないし、それは患者さんにとって良いことではないと思います。

指摘するなら建設的に

運が良いと言えるのかわかりませんが、私が学生だった時の症例発表で、理不尽な質問や指摘をされた記憶はありません。また今の職場で学生に対して、理不尽な質問や指摘をしている場面も見たことがありません。

しかしながら、学会発表だとか、色々な人の話を聞くと、理不尽だなと感じることがあります。もちろん話を聞くだけでは実際のところはわかりませんが。

例えば、「○○の評価が必要なのに、何故していないのですか?」といった質問は、文脈によりけりではありますが、「○○の評価が必要」だと学生が実習中に考えていれば、既に評価しているわけですから、そういった質問によって建設的な展開になるのかと言えば、その後のフォローによると思います。

「すみません、これからは気をつけます。」という学生からの返答があったとして、「これからは気をつけるように」と言うだけでは、何の為の質問だったのかよくわかりません。質問をするのであれば、「○○の評価が何故必要だと考えているのか」を説明しないと、学生は恐縮するだけで得るものもないように思います。

もしかしたら、学生は「○○の評価は必要ない」と考えているかも知れません。しかし、本当は必要かも知れません。そういった齟齬が生じていたとしても、現職のセラピストから「○○の評価が必要なのに、何故していないのですか?」と言われたら、「△△という理由で必要ではないと判断しました」と、はっきりと考えを述べるのは難しいかも知れません。もちろん言えるに越したことないですけど。

威圧感は必要ない

アットホームな雰囲気が良いというつもりはありませんが、学生が過度に緊張して自身の意見を言い辛い雰囲気にならないよう、現職者は配慮した方が良いと考えています。

例えば、腕組みして怖い顔をしている人達の前だと話しにくいと思いますが、それも含めて乗り越えることが大事とするのであれば、目的がずれているようにも思えます。

仮にレジュメと発表がわかりにくいものだとしても、それを補うようなコミュニケーションが出来れば、学生にとっては気づかされることもあるでしょうし、参考になることもあるかも知れません。「レジュメと発表がわかりにくい」ことだけを指摘し続けるだけでは仕方ありません。

先ほどの例に戻ると、質問者が「○○の評価が何故必要だと考えているのか」を説明することで、学生は新たな視点や考えを得ることになるかも知れません。また、それを聞いた上でも「○○の評価は必要ない」と考えていて、その理由を述べることが出来れば、議論が活発になるかも知れません。

現職者の意見が絶対的であり、学生はそれを無条件に受け入れることが前提であれば、指摘や質問に対して、「はい、これから気をつけます。」くらいしか言えなくなってしまいます。

とは言え、現職者は学生と比較して明らかに経験している数が違いますし、基本的には学生より知っているし出来るというのが前提と言いますか、そうであるべきと言いますか、何しかしっかりしないとダメだと思います。

現職者が学生に対して、威圧的な態度を以って優位性を示す必要は全くありませんし、現職者は学生の成長をサポートする立場ですから、それを踏まえた言動を心がける必要があると思います。

厳しく当たって社会の厳しさを~なんて考えなくても臨床は厳しいわけですから、それをこれから一緒に取り組んでいくことになるので、この場で色々話をしましょうといった雰囲気で良いのではと個人的には考えています。

もし理不尽な対応を受けるならバイザーがフォローすべき

これは小見出しの通りです。バイザーが責任を持って学生と関わるわけですから、仮に理不尽な対応を受けていると感じたら、それはフォローすべきだと思います。

一緒になって学生を責めるようなことがあるとすれば、学生は孤立してしまいますし、バイザーの責任を棚に上げるようなことになれば話になりません。

まとめ

学生を甘やかすといった類の話ではありません。学生の立場とすれば、患者さんをはじめ、施設のスタッフの協力によって成り立っている実習であることを自覚し、真摯に取り組む必要があると思います。

そして現職者としては、学生にとって実習を通じて成長するきっかけとなるようにサポートする必要があると思います。実際はそのような経験によって、現職者自身が勉強になると思いますし、個人的には色々気づかされることも多くあります。

実際には、臨床と同じように試行錯誤と泥臭さがあると思いますし、疲れることもあると思います。臨床だけでも疲れますけど、それに加えて学生を担当するわけですから、お互いが良い実習であったと思えるような時間を過ごすことが出来れば良いと思います。

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