(リ)コンディショニングメモ

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トレーニング 指導関連 考え方

ジムスタッフとパーソナルトレーナーの違い?

2018/08/22

はじめに

私がフィットネスクラブで勤務していた頃とは、現状は違っている部分もありますし、会社やクラブの方針などもそれぞれで違うでしょうから、今回の内容はあくまでもひとつの個人的な視点として書いていきます。

パーソナルトレーニングの導入

私がフィットネスクラブで勤務していた頃、パーソナルトレーニングのサービスが本格的に導入されました。もちろん、以前から活動しているパーソナルトレーナーはいましたが、パーソナルトレーナーの養成講習会や派遣会社に登録しているパーソナルトレーナーも増えてきた時期だったと思います。

それまでは、アルバイトスタッフや社員がトレーニングジムで指導していたわけですが、有料のパーソナルトレーニングが導入されることで、その違いは何かということを会員さんに理解してもらう必要がありました。

無料(会費のみ)でトレーニング指導を受けられるのに、「有料のサービスを受ける必要性はあるのか?」ということが、クラブ側のスタッフも会員さんの中にも疑問を持つ人は当然いました。

そういうこともあって、「姿勢チェックと姿勢改善」といったイベントなどによって、今まであまり特化していなかったようなことについて取り上げることで、ある程度の反響がありました。

会員さんの中にも、自身の姿勢が気になる人もいますし、「健康に」「若く」「キレイに」といった意識がある人にとっては、興味を持つことは自然なことだと言えます。

どちらが上なのか?

「姿勢チェックと姿勢改善」といった内容云々の話はここでは触れません。要はジムスタッフとの違いを示すための手段のひとつといった意味合いがあったということです。

パーソナルトレーニングのサービス導入から、有料で1 on 1のサービスを提供するパーソナルトレーナーという職業に、憧れと言いますか目標として勉強するスタッフも少しずつ増えていきました。『パーソナルトレーナー>ジムスタッフ』といった構図を描く人もいました。

それまでは、有料のパーソナルトレーニングのサービスがありませんでしたから、パーソナルトレーナーが指導するような内容も担っていたわけですが、「これ以上はパーソナルトレーナーの領域」といった見えない線引きができたこともあると思います。もちろん、60分間なりきっちりと個別指導が出来るかどうかという部分は大きな違いとしてあります。

クラブ側としては、会費外収入が見込めるということで、パーソナルトレーナーがたくさんいて、サービスを受ける人が多くなることは望ましいこととも言えます。ですから、クラブ側としても「これ以上はパーソナルトレーニングを受けて下さい」といったスタイルに持っていくことはあるかも知れません。

人件費を抑えるといったことに取り組むクラブであれば、ジムスタッフの数は極力抑えて、トレーニング指導を受けたい会員さんはパーソナルトレーニングを受けて下さいといった形をとることもあると思います。ジムスタッフの数が減れば、対応出来る時間も減ります。

多くの場合は、アルバイトスタッフにしても社員にしても、トレーニング指導の能力が収入に反映されるわけではないですから、そういった能力を磨く人というのは、トレーニング指導が好きであるとか、パーソナルトレーナーを目指すといった動機があると思います。その動機の違いが能力の違いを生むかも知れません。

こういった様々な要因が関係しているかどうかは実際はわかりませんが、『パーソナルトレーナー>ジムスタッフ』という構図が当てはまるケースも増えてきたのかも知れません。

しかしながら、スタジオレッスンなど複数を相手に指導するといったジムスタッフもいますから、「複数相手に指導する能力」を養う機会があります。複数相手に指導するということは、必要に応じて個別対応しますが、出来るだけ分かりやすい言葉の選択や、見本の示し方などの引き出しが豊富であるといったことも多いと思います。

どちらが上かという話ではなく、兼務している人もいますし、ジムスタッフがパーソナルトレーニングを担当することもありますから、立場や役割の違いといったところが実際だと思います。

ジムスタッフは監視員?

パーソナルトレーナーが浸透してからかどうかは分かりませんが、「ジムスタッフは会員さんの安全やマナーを監視することが主な仕事だ」という意見を見聞きする機会が増えたように思います。プール監視のトレーニングジム版みたいな感じでしょうか。確かに安全やマナーといった視点は必要だと思います。

会員さんの安全を考えると、器具の管理や床が濡れているなどの環境の整備、明らかに器具の使い方が不適切であることに対応することもあれば、トレーニングのフォームが恐らく狙ってないであろう局所的なメカニカルストレスを与えるものであれば、時にはその会員さんに確認し必要であれば修正するという対応もあると思います。

つまり、トレーニングに無知でも安全管理が出来るというわけではないということです。血圧や脈拍といったバイタルサインの確認も、必要性を感じるかどうかは身体に関する知識が必要になります。いざという時の緊急対応もクラブとして準備しておく必要があります。

パーソナルトレーナーになるには?

フィットネスクラブの外部委託契約を結ぶには、クラブによって様々な条件が設けられていると思います。必須の資格があれば、その資格を取得しなくてはなりません。筆記試験や実技試験があるクラブもあるようです。

様々な条件があるにしろ、実際の指導能力を図ることは困難ですから、「パーソナルトレーナーだからトレーニング指導の能力が高い」というわけでは当然ありません。

どんな職業もそうだと思いますが、経験が重要になりますから、養成講習会を受けたとか試験に合格したということはあくまでひとつの指標であって、やはり実際の指導経験を通じて能力が磨かれていくはずです。

ではそういった経験はどこでするのかという話になります。特にトレーニング指導の経験がないまま、養成講習会を受けたり試験に合格してパーソナルトレーナーとして活動するとなると、まずクライアントがいないことにはどうにもなりません。

養成講習会を受けた、試験に合格しただけのパーソナルトレーナーの売りは何になるかですが、格好良いとか可愛いとか、スタイルが良いとか、そういったトレーニング指導の能力以外の要素が主になるかも知れません。

何にしろクライアントと契約を結んで実際に指導することが出来れば、経験を積む機会を得ることになります。しかし、この場合は、あまり良くない表現をすると「練習」といった試行的な要素が大きいとも言えます。もちろん双方が納得するものであれば良いという考え方もあるとは思います。

しかし、こういったことが何の疑問もなくまかり通るとすれば、「健康な人を相手にするんだから、まあ良いでしょう」という態度と捉えられるかも知れません。

もちろん、どのような段階であっても、試行的な要素を排除することは困難ですから、「何が出来て何が出来ないか」「どのような結果までは導けるか」ということを、出来るだけ明確にする必要があると思います。

そのように考えると、やはり経験が必要になりますから、例えばジムスタッフとして経験を積むといった機会が多い方が、指導能力の向上やその能力の適切な自己認識を持つことに繋がると思います。よく言われることですが、「知っていることと出来ることは違う」ということを感じるには、やはり実践が必要です。

経験豊富なパーソナルトレーナーの指導を受ける

経験豊富なパーソナルトレーナーは多忙なこともありますが、実際にセッションを継続して受けるという経験も貴重な勉強の機会かも知れません。実際にそうして学んだ経験があり、今活躍されている方も何人か知っています。

私は現在は理学療法士ですが、学生時代の臨床実習では長期実習(8週間×2)と、その他の実習(学校によって期間は様々ですが)を通じて、実践と指導を受ける機会があります。そういった制度の質といった課題はあるにしろ、そういった機会を通じて学ぶ機会があるわけです。

今は自身のジムを持つパーソナルトレーナーも増えたように思いますし、内容は詳しくないですがインターン制度を設けているケースもありますから、経験を積むという機会は多様化しているのかも知れません。

契約を結ぶということ

ジムスタッフと違ってパーソナルトレーニングの契約を結ぶ際には、あらかじめクライアント(候補)と面談を行い、目的を(どの程度までは)達成出来るか否かを判断し、前者であれば契約、自身の専門外であれば契約しないという形が基本だと思います。

先ほども書いたように、そういった判断は経験による部分も大きいですから、「ここまでは出来ます」と根拠と自信を持って言えるような取り組みが必要だと言えます。

そういった中で契約を結ぶわけですから、ジムスタッフとして関わるよりも、責任感が増すということはあると思います。個人的には責任感を持って指導しているジムスタッフも多くいるように思いますから、どちらがどうかとは一概には言えません。

仮に、収入がないといった経済的な理由で、とにかく契約を結ぶといったことになると、双方にとって不幸な結果を招く可能性が高くなると思います。

まとめ

あくまでもひとつの視点として書いてみました。ジムトレーナーだから能力が低いとか、パーソナルトレーナーだから能力が高いとは一概には言えません。

出来ないことを出来ると謳う、明らかに質に問題のある内容を提供する、そういったことによって対象者の健康を害するようなことがないように、それぞれの立場で仕事をするということが大事だと考えています。

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