(リ)コンディショニングメモ

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指導関連 考え方

#109 スタティックストレッチングの弊害?

2018/03/09

スタティックストレッチングの弊害?

パフォーマンスの低下とは?

「運動前のスタティックストレッチングはパフォーマンスを低下させる」という言葉を聞いた時に、「スタティックストレッチングは良くない」という解釈もあれば、「どんな運動なのか?」「どの部位のストレッチングなのか?」「強度や時間はどうなのか?」「パフォーマンスって何?」といった疑問もあると思います。

専門職だとすれば、そういった言葉だけで今日からの臨床を変えるわけにはいきませんから、「運動前のスタティックストレッチングはパフォーマンスを低下させる」という根拠となるものにあたるという作業が必要になります。

「手段+価値」

こういった言葉の独り歩きというのはよくあると感じますが、「手段+価値(ポジティブorネガティブ)」というパターンは、特に注意する必要があるように思います。

手段はあくまで手段であって、目的に合致しているかどうか、そのケースにおいてよりベターな選択なのかということであって、具体性を伴わない「手段+価値(ポジティブorネガティブ)」というパターンのものは多くの場合、商売の色が強いか、「あれ、ええらしいで」という近所のおばちゃん達の噂みたいなもんだと思います。

長所・短所より特徴を

先ほども書いたように、手段はあくまで手段であるため、長所や短所というのは、具体的なケースにおいてはあると思います。しかし、そうでなければ「手段+価値(ポジティブorネガティブ)」というような表現は、適切とは言えないかも知れません。

スタティックストレッチングにおいても、「運動前のスタティックストレッチングはパフォーマンスを低下させる」という、ふんわりとした情報では活用が難しいわけで、それよりも「スタティックストレッチングの特徴」を知っておくということが大事だと考えています。

その手段が適応かどうかを判断する上で、特徴を知っておく必要があります。また、特徴を知っていることで、他の手段で代替することが出来ることもあると思います。もちろん他の手段の特徴を知っていることが前提となります。

現場の工夫

「運動前のスタティックストレッチングは、パフォーマンスを低下させることが研究で明らかになっているんだ」と言って、全否定するのはどうかと思います。「~と言われているけれど、このケースにおいては~という理由でこのように取り入れています」ということが、現場の工夫のひとつだと思います。

ですから、外野が「あんなことをするのはムダ」「あれは意味がない・逆効果だ」と判断するのは難しいわけです。ただの間違い探しのような作業は、思考のトレーニングとして脳内でやっておけば良いのであって、専門職としてアウトプットするのであれば、様々なケースと可能性を想像した上で、自身の見解を述べれば良いように思います。

あれこれ指摘するのであれば、反対の立場になれば、ちゃんと説明出来るわけでしょうから、その辺りの振る舞いはもうちょっとスマートにすれば良いのになと思うことがあります。まあこれはあくまでも個人的な感想なので、普遍性があるとは思いませんけど。

まとめ

今回はスタティックストレッチングを例に挙げましたが、こういったことは結構あるように感じます。体幹トレーニング、ファンクショナルトレーニング…例え形骸化した商品であったとしても、手段そのものは否定するのは難しい気がします。形骸化を批判するのであれば、また話が違ってくるかも知れません。

【参考】

少し文献は古いかも知れませんが、分かりやすくまとまっていると思います。

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