(リ)コンディショニングメモ

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理学療法士がパーソナルトレーナー活動の前に考えておくこと

2018/09/18

はじめに

数年前の話ですが、病院で勤務している、とある理学療法士と話をしている中で、「パーソナルトレーナーとして活動したい」といった話がありました。フィットネスクラブでの活動を考えているとのことでした。

今回の記事は、その理学療法士の具体的な話ではなく、そういった話題を元に書いてみたいと思います。

フィットネスクラブのパーソナルトレーナー

セッション料金の話

様々なフィットネスクラブがあり、様々な形態がありますが、ひとつの例として話を進めていきます。業務委託契約を結んで活動し、セッション料金の数10%がクラブ側に入り、残りはトレーナーに入るという形があります(税金の話は省略します)。

例えば、1時間のセッション料金が6,000円だとして、トレーナー側が70%、クラブ側が30%だとすれば、トレーナー側が4,200円、クラブ側が1,800円となります。

時給4,200円と考えると、割りの良いバイトという観方もありますが、それは当然のことながら契約に至った場合であって、クラブに4時間滞在したとして、セッションが1本であれば時給で考えれば1,050円となります。

経費の話

もちろん、予約が入っている時間だけクラブに滞在するのであれば、こういったことは起きませんが、交通費は基本的に自己負担であることが殆どでしょうし、移動時間もあります。

パーソナルトレーナーとして活動するにあたって、理学療法士以外の資格が必要な場合(例えば、NSCA、JATI、ACSM、NESTAなど)、その取得と維持に必要な経費もあります。

その他、自己研鑚に関する経費(文献やセミナーなど)もありますし、オフの日を設けるのであれば、それを見越した収入と貯蓄が必要になります。

病院などで常勤の理学療法士として働きながらという形であれば、まだ余裕はあるかも知れませんが、パーソナルトレーナー活動をメインで考えるとなると、ボーナスもないですし、各種保険料や年金など、様々な支出を考慮しなくてはなりません。

営業の話

予約が勝手に入るのであれば良いですが、認知度が低い場合はイベントをしたり、会員さんと話をする機会を設ける必要があります。ただし、クラブによっては直接的な営業活動を禁止しているところもあります。

紹介ポップ、チラシ、名刺などの作成、ブログやホームページへの誘導など、様々な方法があると思いますが、クラブによって出来ることが違うので、結局はそれぞれのクラブのシステムを確認する必要があります。

クラブの会員さんが、理学療法士という職業をどれだけ知っているか、知っていたとしても、「マッサージをする人」といった認識かも知れません。そうすると、例えば医療系国家資格ということは特に有利に働きません。

また、必ずしも医師の指示がなくとも、理学療法士と名乗ることは問題がないという通知がありましたが、医療機関での業務の延長のような打ち出し方には問題が出てくると思います。

理学療法士の免許を持ったパーソナルトレーナーであって、「理学療法」「○○のリハビリテ―ション」といった文言は使用せず、自身が対象としたいものを打ち出すことが必要かも知れません。

パーソナルトレーナーを選択する理由

パーソナルトレーナーじゃないと出来ないこと?

集団療法はあるにしろ、例えば病院勤務の理学療法士であれば、"1 on 1"で仕事をすることは特別ではありませんので、「パーソナル」で指導することは普段からしていることです。

担当患者さんの数が多く、殆ど1単位で行っているのであれば、「もっと時間をかけてやりたい」ということはあるかも知れません。

所属する病院で担当しないようなケース(例えば、予防やボディメイクなど)、入院や通院するほどではないが何らかの問題を抱えている、退院したもののまだまだ改善の余地がある…など、パーソナルトレーナーとして活動することで、そういった方々の力になりたいといった理由も考えられます。

また、全然違うケースとしては、「割りの良いバイト」という感覚もあるかも知れません。それが正しい間違っているという話ではありませんが、先に書いた通りです。

ダイレクトアクセス?

指名制の病院もありますが、多くの病院では患者さんがセラピストを選べないことも多いと思います。一方で、パーソナルトレーナーであれば、クライアントが自分に合ったパーソナルトレーナーを選ぶことが出来ます。

これをダイレクトアクセスと表現するのはよろしくないですが、実質的には病院でのリハビリテーションの延長線であっても、医師の許可を得ているなどの条件を満たしていれば、パーソナルトレーニングという形もあるかも知れません。この辺りはデリケートな問題ですから、慎重に進めていく(適宜確認しながら)必要があると思います。

最後に

理学療法士の数が増えるとともに、多様化していることを考えると、フィットネスクラブなどの分野で活動するケースも増えてくると思います。

その中のひとつとして、パーソナルトレーナーとして活動するという選択肢もあります。個人的には、専門性を活かせることも多々あると考えていますが、フィットネスクラブに通う会員さんの多様性や、それぞれのシステムなどをまずは確認しておく必要があると思います。

前職では、実力のあるパーソナルトレーナーであっても、営業と言いますか、契約に至るまで苦労しているケースも多く見受けられましたので、「実力があれば大丈夫」という類のものではなく、「実力があることは前提」として準備することが大事かなと考えています。

※パーソナルトレーナー活動を推奨しているわけではありません。あくまでパーソナルトレーナーに興味のある理学療法士との会話をネタに、一意見として書きました。

【参考記事】

-トレーニング, 指導関連, 考え方, 雑感
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