(リ)コンディショニングメモ

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指導関連 考え方 雑感

栄養もトレーニングも専門知識だけでは指導できない

2018/08/29

とあるフィットネスクラブのスタッフの話

はじめに

管理栄養士の学校に通うフィットネスクラブのスタッフの話です。とは言っても10年以上前の話になりますので、そのスタッフは恐らく管理栄養士として活躍していると思います。

会員さんへの栄養指導

いわゆるダイエット目的の会員さんに栄養指導をした際に、その会員さんから実用的ではないということを指摘されたとのことでした。

その会員さんは主婦であり家族分の料理を毎日作っていました。その中で、栄養素の話だけではなく、食材の値段、旬の食材かどうか、日持ち・保存方法、さまざまな料理への汎用性など、実際に取り入れやすいアドバイスを求めていたそうです。

しかしながら、スタッフ自身は自分で買い物をして料理をする習慣がなく、そういった視点が欠けていた部分が多かったようで、その会員さんとのやりとりが参考になったようです。

サプリメントのみで摂取するならまだ簡単

もし、その会員さんが食事を一切摂らずに、サプリメントのみで栄養素を摂取するのであれば、比較的簡単な計算で済むかも知れません。もちろん食事・栄養の話はそんな単純な話ではありませんし、サプリメントの値段や質なども考慮する必要があります。

しかし、食事がメインであり、足りないものを補うという本来のサプリメントの活用となると、実際の食事を確認する必要がありますし、その上で補った方がよいであろうサプリメントを紹介することになると思います。

そして今回の話のように、食材を選び、料理をするとなると、栄養の知識だけでは実用的なアドバイスは難しいと思います。お金も時間もかなり余裕がある対象者であれば、まだ実用的という幅も広くなるとは思いますが。

もちろんこれらは、対象者の目的と目標、現在の体組成、身体活動量など、様々な情報を元に指導することになると思います。

知恵が必要

知識と知恵について

このように考えてみると、専門的な知識を実際の指導で活かすには、知恵が必要と考えることが出来ます。もちろん、知恵は知識がないと生まれないという側面もあるでしょうし、専門職となるとその領域の専門知識は程度に差はあれど必須となります。

知恵を得るためには?

今回の場合、フィットネスクラブのスタッフが知恵を得るためには、例えば実際に自分自身で買い物で食材を選ぶ、料理をするといった実践を通じて得られることもあるかも知れません。

また、今回紹介したような会員さんとのやりとりの中で、会員さんから知恵を借りるということも多々あるはずです。指導者・専門職だから教える側であり、対象者は教わる側であるという関係性は、あくまで指導者・専門職が完璧であることで成り立つように思います。

しかしながら、そのようなことはほぼないと言えそうです。私自身、フィットネスクラブで働いていた頃はたくさん教わりましたし、理学療法士になった今でも同じです。

「自分自身が実際に経験したこと」というのは財産になるでしょうし、仕事を通じて様々な対象者と関わる中で、例えば対象者の知恵に触れることもまた財産になるはずです。

指導者の経験とは?

「自分自身が実際に経験したこと」ということで、食材を選んで買い物をする、料理を作るといったことも経験です。そして、実際に栄養の指導をするという実践もまた経験です。

トレーニング指導者が自らトレーニングを実践するという経験もあれば、実際に対象者にトレーニング指導をするという指導の経験もあるわけです。指導力を身につけるためには、指導する経験を積み重ねる必要があると思います。

その中で、対象者の素朴な疑問、アイデアに触れることで、「言われてみれば何でだろう?」「そのアイデアは面白い」といったように、指導者として成長するきっかけとなるかも知れません。

最後に

「教科書的な指導はダメだ」といった話があり、文脈によりけりではあるものの、対象者という個別性を考慮しないまま、知識に当てはめるという作業では上手くいかないことも多いと思います。しかしながら、教科書といった文献から知識を得る作業は必須です。

そしてその知識を実践でどのように活かすかということに関しては、実際の現場で経験を積むことが必要と言えます。教える側と教えられる側と完全に分けられるものではなく、対象者から得られることはたくさんあるはずです。

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