(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が管理しています。

トレーニング 指導関連 考え方

難しいトレーニングは効果的か?

2018/08/23

チマチマと運動するよりも?

「チマチマと運動するより、しっかり負荷をかけてトレーニングすべき」というのは、文脈や受け手の立場によって解釈は違ってくると思いますが、確かに日常生活の方が負荷が高いのではといったケースはあるように思います。

以前の記事(トレーニングの原則とモチベーション)で書いたように、それで気分が良くなるといった効果があったりするので、即否定といったことは出来ないと思います。しかしながら、現状の各種体力レベルを向上させるという目的であれば、適切な方法ではないことも多いと思います。

慣れていない運動を効果的と考える

すぐに慣れて出来るかも知れない

「ただ慣れていないから上手く出来ないだけで、やっていればすぐに出来るようになる」といった類の運動は色々あるはずです。

「慣れていない運動だから上手く出来ない」ことに対して、「普段使わない部分を使っているんです」「それが弱点です」「アウターマッスルだけ鍛えてもダメなんです」とそれらしいフレーズを鵜呑みにすれば、よくわからないけど効果があると思うかも知れません。

そういった運動を行うことのメリットを理論的に説明出来ないと、時間がもったいないだけかも知れません。「ただ慣れていないから上手く出来ないだけで、やっていけばすぐに出来るようになる」ようなものなら、もともとその運動を行う能力は有していたということです。

既に出来る能力を有していたかも知れない

こういったことは、即時効果のあるアプローチなんかもそうで、「ぱっと変わる」から「何か凄そう」「効果ありそう」という印象を与えやすいのですが、「ぱっと変わる能力を有していた」とも言えます。

もちろん、それには指導者の知識や技術があればこそというケースもあるでしょうし、「即時効果(残存効果)を発達効果に繋げる」といった視点があれば、有効な手段になることもあると思います。

慣れていない運動を行うこと、それが出来るようになること、それを積み重ねていくと出来ることが増える(ように見える)ので、何か進化していってるような気になるかも知れません。

もちろん、その過程において、本当に必要な能力が向上していくのであれば良いのですが、そのようなプロセスだけを見て進化しているような錯覚に陥っているだけだと、本来の目標を達成する手段とは言えないかも知れません。

難易度を調整することで効果的に見えるかも知れない

例えば、バランスボールの上に座って跳ねることに慣れたら、片足を挙げて跳ねる、それに慣れたら両足を挙げて跳ねる、それに慣れたら両膝立ちになる…と言ったように、難易度を調整することで、簡単ではないようにすれば、効果があるように見えるというのはあると思います。

しかし、そもそも「効果」とは「何に対する効果か?」ということになりますし、それは本来の目的を達成するのに必要なものなのか、よりベターな手段なのかということは、やはり考える必要があります。

本来の目的ではない学習の効果

野球選手のドリブル技術

極端な例を挙げると、野球選手がサッカーの基礎的なドリブル練習を行い、スキルが向上していけば難易度の高い練習に移行していくといったプロセスです。確かにドリブルが上手くなっていくのですが、肝心の野球のパフォーマンスにどれだけポジティブな影響を与えるかと言えば疑問です。

「ポジティブな影響がない」とは一概に言えないところが、事態をややこしくしているのかも知れません。「ポジティブな影響をいくつか挙げよ」と言われたら、それらしいことはいくつか挙げることが出来ると思います。

しかし、それが他の方法よりベターなのか、ネガティブな影響(本職のパフォーマンスが低下する)はないのか、そういったことも同時に考えないと、ポジティブそうな部分だけにスポットを当てて、それらしく見せているだけといったことにもなりかねません。

最後に

普段していない動作は、時にすぐに出来ないこともあります。それが出来るようになるというのは、何かの役に立ちそうな効果があると感じる、もしくはそう感じさせるというケースがあるかも知れません。

楽しむことは大事だ、無駄なことはない、成功体験は必要だ…といった、ポジティブな側面はいくらでも考えられますし、良い悪いの話ではありません。

ただ、本来の目的がある場合、その目的に合致しているか、よりベターな選択肢は他にないのか、といったことは指導者側としては考える必要があると思います。

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