(リ)コンディショニングメモ

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神経科学 生理学

感覚とは?~感覚・知覚・認知・五感・感覚の種類~

2018/08/24

はじめに

「私の感覚では~」「感覚的にそう思う」「あなたの感覚がずれている」というように、「感覚」と言っても様々な使い方がされています。「美的感覚」と言ったり、「美的感性」と言ったりするので、「感覚=感性」かと言えば、必ずしもそうではないと言われています。

生理学、心理学、哲学といった様々な学問で取り上げられているようですが、ここでは生理学における「感覚」について触れていきたいと思います。

感覚とは

この定義も文献によって違うのですが、『標準生理学 第8版』から引用します。

感覚神経系は、身体外部および内部から得た情報を中枢に送り、適切な行動を発現することに寄与している。用語として、感覚 sensation、知覚 perception、認知あるいは認識 congnitionが使われる。それぞれ、

・感覚:刺激によって生じる意識過程(例:光や触覚の刺激ではなく、音が来たとわかる)

・知覚:感覚を介してその刺激の性質がわかること(例:音が分析されて旋律をもっていることがわかる)

・認知:知覚がこれまでの経験、記憶と結びついて刺激が具体的なものと結びつくこと(例:その旋律が特定の歌と結びつく)

とされる。しかし、感覚、知覚、認知を明確に区別しすることは難しい。

【引用文献】

・小澤瀞司,福田康一郎:標準生理学 第8版,212.医学書院,2014.

専門家が「難しい」と言うくらいですが、確かに文献によって違います。この引用した内容を参考にすれば、日常会話で使われる「感覚」とは、時に違う意味を持っていることがわかります。

アリストテレスは、嗅覚、視覚、味覚、聴覚、触覚の5つの感覚を定義しました。今で言うところの「五感」というのは、それら5つの感覚を指しています。生理学的には次のように分類されています。

感覚の種類 modality

■特殊感覚…嗅覚、視覚、味覚、聴覚、平衡感覚(前庭感覚)

■体性感覚…

[表在感覚]触覚、圧覚、温度感覚、痛覚

[深部感覚(固有感覚)]位置覚、運動覚、重量感覚、振動覚、深部痛覚

[複合感覚]2点識別覚、皮膚書字覚、立体認知、2点同時識別覚など

■内臓感覚…臓器感覚(口渇感、空腹感、満腹感、悪心、便意など)、内臓痛覚、関連痛

ざっと色々な文献を参考にしながらまとめてみましたが、文献によって違いがあります。詳細については該当する様々な文献にてご確認頂ければと思います。

近年ではfMRI(functional MRI)、PETなど脳機能画像の研究が盛んに行われているため、各感覚modalityの情報処理に関することが解明されてきており、局所ではなく機能的な結合性が明らかになってきています。

従来の知見では、各感覚は独立していると考えられていましたが(それに対する批判もありましたが)、実際には様々な異種感覚統合が起こっていることがわかってきました。

感覚という難しすぎることについて、研究者でも何でもない人間が記事を書くのはどうかと思いますが、今回は、今後の記事の参照用として書きました(1年生のデイリーノートレベル)。

【参考文献】

・小澤瀞司,福田康一郎:標準生理学 第8版.医学書院,2014.

・河田光博,稲瀬正彦:人体の正常構造と機能Ⅷ 神経系(1).日本医事新報社,2012.

・真島英信:生理学.文光堂,2009.

・Kandel E:カンデル神経科学(金澤一郎,監訳).メディカル・サイエンス・インターナショナル,2014.

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