(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が管理しています。

トレーニング 指導関連 考え方

「あなたのトレーニングは間違ってますよ」

2018/08/25

「そのフォームは違いますよ」

モチベーションを下げるかも知れない

ジムで集中してトレーニングに励んでいる時に、ジムスタッフやパーソナルトレーナーが寄ってきて、「そのフォームは違いますよ」と声をかけてきたとすれば、どう感じるでしょう。

これは人それぞれと言ってしまえばそれまでですが、集中して、気分良くトレーニングしているのに、目的も聞かずにいきなり「違いますよ」と指摘されると、気分を害する人もいると思います。

「安全に、効率的に、効果的に」トレーニングをすることは、少なくとも指導者であれば配慮したいところですが、物事には順序がありますので、仮に正論だとしても相手の気分を害するだけになるかも知れません。

何をもって違うのか?

明らかに安全面で問題があれば、利用者の安全のためにも修正した方が良いと思いますが、「(その指導者の考える)ベーシックなフォームとは違うから」という理由だけで修正を求めるのは、根拠としては乏しいと思います。

外から見てるだけではわからない

目的や意図を確認する

目的あっての方法ですから、どのような目的や意図で行っているかを確認する必要があります。その際に、普段からよく話をする関係なのか、そうでないかでは入り方も違ってくると思います。

普段は挨拶もしないのに、話しかけられたと思ったら、「そのフォームは違いますよ」だと、「(いきなり何やねん…)」と思われても仕方ありません。

一方的な指摘はアドバイスにならない

これは見出し通りです。目的や意図を確認しないまま、間違っている、不適切であると指摘するのはおかしな話です。相手のモチベーションを下げたり、相手の貴重な時間を奪うだけになりかねません。

入り方に配慮する

最善の方法はない

どのような入り方が適切かというのは、関係性によって違ってきますから、「これが良い方法です」と示すことは出来ません。

タイミングを図る

セット間の休息に話しかけられるというのは、トレーニングを真剣に行っている人にとっては、ほとんどの場合は迷惑です。それを平気でしてしまうのは、トレーニングをわかっていないと言われても仕方ないと思います。

指摘から入らない

例えば、真剣にトレーニングに励んでいるような人でその日の内容から、「今日は胸の日ですか?」といった入り方もあると思います。

そこからどのような刺激を狙っているのか、しっくりきていないことはないか、身体の不調はないかなど話を広げていくことで、行っているトレーニング種目やフォームが適切かどうかといった本題に入りやすいかも知れません。

アドバイスすべきという呪縛

相手が求めていないのに、「指導者たるものアドバイスすべき」というスタンスは如何なものかと思います。お互いの関係性もありますし、物事には順序がありますから、急ぐ必要はないはずです。

流行りのエクササイズ

また、メディアで紹介されたような、流行りのエクササイズを行っていたとしても、「そんなエクササイズは効果ない」と頭ごなしに否定しなくても良いと思います。その人にとって必要かも知れませんし、ただ試しているかも知れませんし、楽しんでいるかも知れません。

そして、指導者自身が知らないこともあるでしょうし、トレーニーといってもかなり勉強をしている人も多いですし、同業者や関連する専門家かも知れません。

安全面は考慮する

動作から想定して質問をする

恐らく意図せず局所的にストレスがかかっているフォーム、それが例えば肩甲上腕関節であれば、「肩に違和感が出ませんか?」という入り方も考えられます。「特にないですね」という返答であれば、「それなら良かったです」「肩強いですね」と、適当な返しをして、次の展開を考えるのも手だと思います。

「ちょっと痛い時があります」という返答であれば、その部位に過度なストレスがかかるフォームになっていることを伝え、そこで初めて修正案を提示する方が自然かも知れません。ケースバイケースなので、いくらでも考えることは出来るはずですから、あくまで一例に過ぎませんが。

このような入り方が上手くいくケースを考えると、「この人、見ただけでわかるんや」と良いように捉えてもらって、聞く耳を持ってもらえることもあるかも知れません。

例えばセーフティーバー

また、ベンチプレスでセーフティーバーのセッティングが意味をなしていないとか、そういった明らかに安全面で問題があるケースに関しては、入り方は配慮すべきではありますが、声をかけるべきだと思います。

安全面を説明するケースもあるでしょうし、「あ、忘れてますよ!」と、相手の無知ではなく、うっかりという前提で声をかける方法もあります。適切かどうかは知りません。

最後に

個人的に配慮した方が良いと思うのは、いきなり否定から入らないということです。相手の目的や意図を確認すること、場合によっては特にないかも知れませんが、どちらにしろ確認すべきことだと思います。

「個々の目的に合った適切な方法を指導する」ことは、指導者の立場としては遂行することが当然なことに思えますが、それが押しつけになるのでは、集中して、気分良くトレーニングしている人の気分を害するだけで、大事なことが伝わらないといったことにもなりかねません。

トレーニングするモチベーションを指導者が下げるのは本末転倒です。「正しい(と考えている)方法」を提示しても、タイミングを間違えば役に立たないこともあると思います。むしろモチベーションを下げるのならマイナスと言えます。

アドバイスしたがるのではなく、対象者にとってより良いトレーニングが気分良く出来るようにサポートするという視点は大事かなと考えています。

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