(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 指導関連 考え方

#35 知識と技術ではどちらが大事?

2017/09/17

「知識だけではダメ」「技術だけではダメ」といった話があります。個人的には、そもそも「◯◯だけで十分だ」という主張はあまりみたことがないのですが。「知識と技術ではどちらが大事?」という話もありますが、優先順位をつけるものなのかという疑問があります。

ある方が仰っていたのですが、「問題点はわかるが解決策がわからない」というのは、「知識はあるけど技術がない」ということに置き換えて考えることも出来るとのことです。この考え方はわかりやすいと思います。

「◯◯さんの腰背部の疼痛は、股関節の伸展制限が影響している」(例えはよくないですが)と考えたとしても、「股関節の伸展制限を改善するアプローチ」がわからなければ、解決することが出来ません。

具体的なアプローチがわからず、何となく行うことで、「言ってることは正しいけど、やってることは適切ではない」ということになるかも知れません。

反対のケースでは、「股関節の伸展制限を改善するアプローチ」が出来る技術があっても、使いどころがわからなければ役に立ちません。ある方法だけ講習会で学んでも、臨床で適応かどうかを判断出来なければ、「使いどころかわからないけど、とりあえず使ってみる」ということになるかも知れません。

また、「股関節の伸展制限を改善するアプローチ」といっても、当然ですが制限因子が違えば、具体的な方法は変わります。ですから、「これが股関節の伸展制限を改善するアプローチだ」というものはないということです。

そうすると、解剖学、運動学、生理学といった知識が必要になりますし、触診技術が必要になるケースもあります。また対象者から必要な情報を引き出す技術が必要なケースもあると思います。自動運動を用いる場合は、適切に誘導するためのハンドリングや口頭指示といった技術が必要になります。

そのように考えていくと、はっきりと知識と技術を分けることが難しいこともあるように思います。「知識と技術ではどちらが大事?」ということを考えれば、少なくとも臨床ではどちらが欠けても上手くいかないと言えます。

知識や技術の他に、考え方、知恵、人間性など、さまざまな要素を挙げることは出来ます。「結局は人間性」という結論はわからなくもないですが、人間性(とやら)があれば十分ということではないと考えています。

臨床に必要であろう要素は複数あるにしろ、それらを統合して具体的な行動の選択と実行をすることになります。それは意識的なこともあれば無意識的なこともあるでしょうし、「何もしない」という選択と実行も当然あり得ます。

ある要素を取り出して注意を向けることで、その質を効率的に上げることが出来ることもあるかも知れませんが、いずれにしてもそれらの要素に関しては、「◯◯だけ」に縛られる必要もないですし、「○○が一番大事」というのもないと思います。結局は如何にして「目標を達成するか」「対象者にとって良いものを提供するか」ということだと考えています。

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