(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

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#39 フィットネストレーナーの専門性とは?

2017/09/17

タイトルにあるフィットネストレーナーとは、ここではフィットネスクラブで指導しているジムスタッフという前提で話を進めていきたいと思います。

ジムスタッフと言っても、アルバイトスタッフもいれば、社員もいます。業務としては、ジムでのトレーニング指導以外にも水泳指導をしたり、スタジオレッスンを担当したり、フロント業務をするクラブもあると思います。

また、フィットネストレーナーが有料プログラムとして、パーソナルトレーニングを担当するクラブもあります。業務委託として契約しているパーソナルトレーナーとの差別化として、ある程度マニュアル化したものを提供しているクラブもあります。

フィットネスクラブを利用する人は、年齢層は幅広く、目的も多岐に渡ります。そうすると必然的に、フィットネストレーナーに求められる知識や技術というのは、それらに対応すべく幅広い知識と様々な技術が必要ということになります。

メディアやインターネットから様々な情報を得ることが出来るので、利用者も色々なことを知っています。それらについて質問してくることも少なくないでしょうから、情報収集をしていた方が会話はスムーズかも知れません。

しかしながら、情報収集と言ってもキリがないですから、利用者からの情報を基礎的な知識をベースとして、汲み取ってコミュニケーションを図ることが出来れば、広く対応出来るかも知れません。

そして知らなければ知らないことを知らないと伝えれば良いと思います。「後で調べておきます」という言葉を添えるなりして。とにかく色々な人達が色々な話題や質問をしてきますから、誤魔化して対応しない限りはかなり磨かれると思います。

さて、利用者の目的としては、ボディメイク、スポーツの補助トレーニング、スポーツそのものの練習(リフター、ランナーなど)、気分転換、ストレス解消、健康増進、医師に運動を勧められた、他者との交流など、色々あると思います。

例えば、ボディメイクを指導するとなると、必然的に運動、栄養、休養のことに触れることになります。そうすると、その基礎となる解剖学、運動学、生理学、栄養学といった知識が必要ですし、トレーニングのプログラムデザイン、トレーニング指導の技術、実際の食事に関するアドバイスなどが必須となります。

食事に関するアドバイスは、栄養素の話だけであれば、各食品に含まれる栄養素を考慮して伝えることは出来るかも知れませんが、食材の購入(旬の食材、嗜好、消費期限、保存方法、値段など)、調理など、トータルで考えると単に食材とその栄養素を覚えるだけでは不十分です。実用的なアドバイスは、知識を持っているだけでは難しいと思います。

また、「お医者さんに運動を勧められて入会しました」というケースであれば、その理由を確認し適切な運動を指導する必要があります。ケースによっては再度受診を勧めたり、かかりつけ医に確認してもらう必要があるかも知れませんが、「お医者さんに勧められて」というケースでは、その必要性がないこともあると思います。

運動を勧められた理由は内科的なもの、整形外科的なものなどによって、指導内容は変わるかも知れません。もちろん疾患(またはその発症リスク)以外の身体的特徴など個別性を考慮する必要があります。

疾患の知識はリスク管理という意味でも、指導するのであれば持っておく必要はありますが、解剖学、運動学、生理学といったベースの知識と、運動・トレーニング指導で対応出来ることも多いと思います。医療機関ではありませんし、それを提供する立場でもないですから、医療ごっこをする必要はないと思います。

医療分野が上位であるわけでもないですし、そもそもリハビリテーション医療の現場でも、フィジカルトレーニングを行うケースも少なくないことを考えれば、コンプレックスを持つ必要もないですし、フィジカルトレーニングの指導は専門性のひとつだと思います。

フィットネスクラブは様々なケースに遭遇する現場ですから、出来ない・わからないことに対して無理をせずに、ひとつひとつ丁寧に対応していけば、相当な知識と技術を磨くことが出来ると思います。

パーソナルトレーナーと違って、スポットであったとしても、様々な利用者と交流し指導する機会を多く得ることが出来ます(シフト体制とかの話は置いといて)。フィットネストレーナーはパーソナルトレーナーより下位の位置づけではないはずです。

活躍されているパーソナルトレーナーは、フィットネストレーナーとして経験を積んできた方も多くおられますが、そういう方々の中には、トレーニングの可能性を確信しているにも関わらず、クラブの方針とのギャップによって、仕方なしに?パーソナルトレーナーになった方もいます(n5くらい)。

長々と書きましたが、フィットネスクラブが、例えば退院後の患者さんのいわゆるリハビリではなく(もちろん疾患や障害によりますが)、トレーニングを安全に効率的に効果的に実施出来る場になるといったように、より広い層を受け入れることが出来ればと思っています。パーソナルトレーニングのサービスも選択肢に含めての話です。

サービスが多様化していくのは必然ですから、フィットネスクラブやフィットネストレーナーに拘るつもりはないですが、フィットネストレーナーは本来れっきとした専門職であるはずが、「健常者相手だからまあ問題ないでしょう」という適当な仕事になるとすれば残念です。個人的にはフィットネスクラブは良い空間だと思っています。

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