(リ)コンディショニングメモ

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コアエクササイズと補助的エクササイズ

2018/08/25

「コアエクササイズ」と「補助的エクササイズ」

エクササイズは、関与する筋群の大きさや特定の競技動作への寄与の度合いに基づいて、コアエクササイズと補助エクササイズに分類される。

コアエクササイズとは、1つ以上の大筋群(胸、肩、背中、殿部、大腿部)を動員し、2つ以上の主要な関節が関わるエクササイズ(多関節運動)で、スポーツ競技に直接的に応用できるため、エクササイズの選択における優先度は高い(訳注:ここでのコアは体幹という意味ではない)。

補助エクササイズは、通常小さな筋群(上腕、腹部、ふくらはぎ、首、前腕、下背部、下腿前部)を動員し、1つの主要な関節のみが関与するエクササイズ(単関節運動)で、競技パフォーマンスの向上についての重要性はやや低いと考えられる。

Thomas R.Baechle,Roger W.Earle 編 金久博昭 日本語総監修 岡田純一 監修:ストレングストレーニング&コンディショニング第3版,422.ブックハウスHD,2010.より

「多関節運動」と「単関節運動」

「多関節運動」と「単関節運動」という分類は、あくまで便宜上の分類だと考えています。引用部分にある「関節が関わる」というのは、「関節が動いているかどうか」というニュアンスだと考えた方が適切だと思います。

例えば、アームカールは単関節運動に分類されると思いますが、手関節は動きはほとんどみられなくても、ダンベルやバーベルの重さに打ち負けないように、手関節を固定するために該当する筋群は活動しています。

同じような例では、ダンベルフライであれば、主要な動きとしては肩甲上腕関節ですが、肘関節や手関節も先ほど書いたようなことが起こっています。もう少し細かくすれば、肩甲胸郭関節(仮性関節)、胸鎖関節なども動きがみられることも多いと思います。ただそれらは、引用部分にある「主要な関節」ではないとも考えられます。

先ほど書いたように、「多関節運動」と「単関節運動」は便宜上の分類だと考えているので、分類方法に異議を唱えるつもりはありません。関節が明らかに動いているか、そうでないかでは、関与する筋の働き方としてはやはり異なりますから、整理しやすいとも言えると思います。

すべて多関節運動?

そもそも、安定した姿勢でどこかを動かすということを考えれば、姿勢を安定させるために筋は働いているわけで、それを以って「全て多関節運動だ」と言えなくもありません。

それっぽく言えば、「mobility on stability」ということかも知れません。明らかに動いている関節が目につきますが、より洗練された動きを実現するためには、どこかが安定している(固定という意味ではない)必要があります。

わかりやすい例で言えば、両側同時のダンベルサイドレイズと、片側のみのダンベルサイドレイズでは、動きとしては両側と片側の違いですが、その姿勢を保つための筋の働き方は異なります。両側でも挙上のタイミングが変わればそうなります。

このようなことは、ダンベルを使用したデッドリフトなど、他にも様々なエクササイズで起こることです。やるかやらないかは別として、左右で扱うダンベルの重さを変えても同じようなことが起こります。

そのように考えると、いわゆる「体幹トレーニング」(この名称も微妙ですが)のバリエーションとして工夫することも出来るかも知れません。

両方に同じ重さのダンベルを持って行うエクササイズと、片側のみでダンベルを持つ(もしくは左右で重さを変える)エクササイズでは、姿勢制御に関わる筋の活動が異なるわけですから、目的があるとすれば選択肢としてはあると思います。

片側のみでダンベルを持ったデッドリフトは、重さが半分になりますから負荷が減るという観方も出来ますが、左右同じ重さのダンベルを持つ時とは運動が異なりますから(回旋を入れなくても)、部位によっては負荷が増えることになります。ですから、負荷の設定を考える必要があります。

最後に

今回の話は、「だから片側のエクササイズが良い」ということではありません。目的に合った手段を考えた時に、よりベターが「片側のエクササイズ」を取り入れることであれば、それはそれでありだと思います。

「多関節運動」と「単関節運動」、「両側のエクササイズ」と「片側のエクササイズ」など、見た目だけでなく運動学的にエクササイズを考えることで、バリエーションはいくらでも考えられると思います。

ただし、細かく考え過ぎて「何の要素が効率的に効果的に向上するのかが、よくわからないエクササイズ」になるといったことも、よくあるように感じますので、結局はシンプルなものが優先順位が高くなることが多くなるのかも知れません。

【参考文献】

Thomas R.Baechle,Roger W.Earle 編 金久博昭 日本語総監修 岡田純一 監修:ストレングストレーニング&コンディショニング第3版, ブックハウスHD, 2010.

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