(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 指導関連 考え方

#46 ”No pain, no gain.”は本当か?

2017/09/17

何十回と挙上できる負荷を数回挙上して終了では、筋力向上という目的であれば効率的・効果的とは言えません。基本動作の練習において、過介助によって有している能力をほとんど引き出す必要がなければ、その動作は現状より上手く出来るようにはならないかも知れません。

またケースによりけりですが、痛みを伴いながらも、関節可動域練習を行うであるとか、歩行練習を行うといったこともあると思います。そのように考えると、成果を上げるためには、努力や痛みを伴うのは当然、もしくは仕方ないという考え方もあります。

確かに、それが当てはまることも大いにあると思いますが、「その成果を上げるために、それほどの努力や痛みを伴う必要があるのか」ということも、考える必要があると思います。

レジスタンストレーニングを実施する際に、テクニックの問題によってスムーズな挙上が出来ずに大きな努力感を伴うケースを、「その努力感は成果を上げるために不可欠」と言えるかどうかということです。もちろん、テクニックの改善のために必要なプロセスと位置づけられることもあるとは思いますが。

関節可動域練習において、専門職のテクニックの問題によって余計な痛みを誘発しているケースを、「その痛みは関節可動域の改善に不可欠」と言えるかということです。

そのようなケースにおける、努力感や痛みは、本来必要のないものかも知れません。そういった視点がなければ、「No pain,no gain.だ」として、改善の余地について考えないかも知れません。

(最大)筋力の向上を図る方法を考えた時に、「安楽な方法」は確かにそうないと思います。ですから努力を伴うこと自体は自然かも知れません。しかし、必ずしも「努力感がある=適切なトレーニング」ではないと思います。

努力を伴うこと自体は自然であるけども、努力感を得ることが目的ではないですから、同じ負荷を扱うのであれば、「より楽にスムーズに挙上する」という視点もあって然りだと思います。

言い換えれば、テクニックによって同じ負荷で努力感が違うのであれば、努力感が少ない方が良いという考え方もあるということです。努力感が少ないということは、その負荷よりも大きな負荷を扱うことが出来ますから、筋力の向上という目的に対してより効率的・効果的と言えるかも知れません(具体的なケースを想定すれば、もちろんケースバイケースです)。

関節可動域練習も同様に、専門職のテクニックの問題によって、余計な痛みを誘発しているのであれば、テクニックの改善によって同じ関節角度であっても、痛みの程度は軽減するということになります。とすれば、もう少し角度の増大を図れるかも知れませんし、そうしないとしても、余計な痛みの誘発による不利益を避けることが出来ます。

そのように考えていくと、"No pain,no gain."と言えど、果たしてpainに見合ったgainなのかということは、常に考えておく必要があると思います。

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