(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 指導関連 考え方

#49 体幹トレーニングについて

2017/09/17

「体幹トレーニング」に限らずですが、トレーニングを細かく分けて切り売りするかのような商法はよくあるように思います。個人的にはそういったネーミングは今後も色々出てくるでしょうし、そういうものかなと思います。

私が中学生の頃、部活の筋トレとして行っていたのは、腕立て伏せ、懸垂、スクワットの他に、いわゆる腹筋(シットアップ)と背筋(バックエクステンション)がありました。その腹筋と背筋はいわゆる「体幹トレーニング」に含まれるのでしょうか。

対象者に合わせてエクササイズを指導する際に、「それは体幹トレーニングですね」「あれはピラティスですね」と他者が指摘することもあると思います。しかしながら現場としては、ネーミングは特に重要ではありませんし、ああそうなんですか?という具合になります。

「体幹は重要だ」ということは、いわゆるリハビリでも言われることがあります。例えば脊髄損傷や脳卒中といったケースにおいて、「体幹が〜」という表現を使うことはあると思います。実際には、何となくそれっぽく表現しているわけではなくて、より具体的な話になっていくわけですが。

というのは、「体幹が〜」という話が最後まで抽象的だと、具体的に何を目標として、何が問題で、何をしていくべきかといったことに繋がりませんから、あくまで便宜的な表現として用いる程度と個人的には認識しています。

そもそも、「体幹」とは厳密に何処を指すのか、機能面も含めキレイに分けて捉えることが出来るのか、そういった問題がありますから、やはりあくまで便宜的な表現だと思います。

寝返れない、起き上がれない、座れないといったケースは、臨床ではよくありますし、その際に便宜的な表現である「体幹」という部分に着目することはあると思います。それは体幹の筋力や可動域のみで話が出来るものでもありませんし、体幹のみで話が出来るものでもありません。

「体幹は重要だ」というような論法はありますが、そうすると重要でない身体の部位は何処かという話にもなるわけですから、結局のところ全身を考えること、各体力要素とbiomotor abilitiesのように各体力要素の関係性を考えること、そういったことが必要になると思います。

個々のケースにおいて、特にアプローチした方が良い要素や課題があれば、それに合った具体的な介入を考えていくということだと思います。それがいわゆる「体幹(と便宜的に呼ぶ部位の具体的な機能)」「体幹トレーニング(結果的に分類されそうなもの)」になるのであれば、順序としてはそれほど違和感がないかも知れません。

ただやはり、身体を部分に分けて考えるのはあくまでも便宜的なものなので、「体幹は重要だ」と、形骸化したエクササイズを行うことに関しては、少なくとも専門家が勧めることではないように思います。もちろん、やらないよりは、やる方がマシというケースもあるとは思います。

今回の例は「体幹」「体幹トレーニング」でしたが、インナーマッスル、アウターマッスル、ベーシックなトレーニング、ファンクショナルトレーニング…なども、基本的には同じと考えることが出来ると思います。

ベーシックなトレーニング(スクワットやデッドリフトなど)をしていれば、体幹は鍛えられるということもあると思いますが、体幹のどのような機能を高めるかといったことを考えれば、ベーシックなトレーニングや形骸化した体幹トレーニングよりも、例えばメディシンボールスローなどが適切といったこともあると思います。

便宜的に細かく分類することも、もちろんあると思いますが、それらを「トレーニング」と考えれば、思考の枠が分断されて視野が狭くなることを防ぐことが出来るかも知れません。身体にしても、トレーニングにしても、専門性にしても、分断して捉えるメリットとデメリットがあると考えています。

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