(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 指導関連 考え方

#50 コンディショニングの共通認識を持つことについて

2017/09/17

「トレーニングはした方が良い」という話は、健康増進、ある種の疾病予防や症状の緩和、傷害予防、認知機能の改善など、さまざまな効果が研究などによって示されていることが根拠となっていることもあると思います。

詳しくみていくと、もちろん決して万能なものではないにしろ、トレーニングを取り入れることによってポジティブな効果がある人も少なくないと捉えることも出来ます。

とは言え、考慮することはいくつかあると思います。不特定多数に向けて「トレーニングはした方が良い」ということと、個々に対して個別性を考慮せずにそのように伝えるのでは、話が違ってきます。

人によって身体機能・構造、身体活動量や活動内容、取り巻く環境などは当然違いがあります。仕事の内容にしても、いわゆる力仕事が中心なのか、デスクワークが中心なのか、車を運転している時間が長いのか、もちろん完全に分けられるものではないですが、そういった違いがあります。

そして、日中のスケジュールも当然違いがあります。仕事の時間、通勤時間、その他、家庭での役割などによって、比較的時間に余裕があるのか、そうでないのかは様々だと思います。

「時間は作るものだ」というようなセリフは、自己啓発本などで見聞きするわけですが、それは本人が言ってるのであればまだしも、本当に忙しい人はいますし、優先順もそれぞれ違うわけです。

そのように考えると、「トレーニングはした方が良い」としても、何をどれくらいした方が良いのか、それをするだけの精神的、時間的余裕があるのか、トレーニングによる疲労のマネジメントは上手く出来るのか、そういった考慮すべきことはたくさんあります。

「トレーニング=レジスタンストレーニング」と考えずに、「目的に合ったトレーニング方法」と捉えれば、もう少し柔軟に提案出来ると思います。さまざまな体操、ボディワーク、ストレッチ、ウォーキングなど、色々あるわけですから、その人にとって「取り組むことが出来ること」「優先順位の高いもの」をそれらの中から提案するといった柔軟性が必要だと思います。

姿勢や基本動作に対するアドバイスもあると思いますし、仕事や家事における身体の使い方に関するアドバイスもあると思います。もちろんこれらは、その人にとって必要であり適切な内容であることが前提の話です。

運動やトレーニング指導に関わる専門職は、特定の運動やトレーニングを指導することを前提とせずに、そういった柔軟な対応が出来れば、より多くの人にとって有益なものを提供出来るように思います。そのためには、基礎となる知識はもちろんのこと、さまざまな考え方や引き出しが多いに越したことはないと考えています。

そのように考えていくと結局は、「コンディショニング」の話になるのかも知れません。コンディショニングの方法のひとつとして、トレーニングがあると言えます。ですから、「コンディショニングの専門職」であり、関連するそれぞれの専門職は、その中の強みがそれぞれ違うと考えることも出来ます。

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ですからオーバーラップすることは自然なことだと思います。出来ないことを出来るとしてデタラメなことをしたり、他に適切な専門職がいるにも関わらず強引に囲い込むようなことは論外だと思います。

「私の専門はここからここまでです。それ以外は全く知らないし関係ないです。」とそれぞれが主張すれば、チームワーク、チーム医療は実現しませんし、限られたパイを奪い合うような対立が生まれることになるかも知れません。

「コンディショニング」という観点を持つことで、共通認識が生まれるかも知れませんし、そのことで円滑なコミュニケーション、協力が図れるかも知れません。それぞれが明確な強みや特徴を持ちながら、対象者にとってよりベターな選択が出来るような関係、環境づくりは重要なことだと思います。言うは易く行うは難しは言わずもがなですけども。

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