(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 指導関連 考え方

#51 正しいトレーニングをすれば上手くいく?

2017/09/30

正しいトレーニング?

「正しいレジスタンストレーニング(以下トレーニング)をすれば上手くいく」「良い結果が出なかったのは間違ったトレーニングをしたからだ」というようなニュアンスのセリフは、トレーニングに限らずですが見聞きすることがあります。

しかしながら、「これが正しいトレーニングだ」というものを示しているのであれば、その時点で形骸化しているわけで、柔軟性のないものだと思います。そのようなものは、「正しい」という言葉とは裏腹に、適応がピンポイントになります。

「正しい」を「適切」に置き換えても、両者の意味は異なるものの、同じような使い方がされる言葉だと思います。「適切にトレーニングをすれば上手くいく」「上手くいかないのは適切にトレーニングを行わなかったからだ」というように。

数学の成績を上げるために英語を勉強する?

さて、例え話ですが、「数学」の成績が思わしくないとします。その人にとって効率的・効果的な方法で、「英語」を勉強するとします。どうなるかというと、恐らく「英語」の成績が良くなると思います。

適切な、正しい方法で「英語」を勉強すれば、「数学」の成績が良くなる…全く無関係とは言い切れないとしても、目的が「数学の成績を良くすること」であれば、方法としては適切ではないと言えます。

つまり、「正しいトレーニング、適切なトレーニングをすれば上手くいく」かどうか、そもそも「トレーニング」自体がベターな選択肢かどうかということを考える必要があります。もっと違ったよりベターな方法があるかも知れません。

上手くいかないのは技術不足の問題か

これは、トレーニングに限らず、「○○法」「○○療法」といった様々な方法も同じように考えられると思います。「○○法は最高のアプローチだ」と妄信していると、「上手くいかないのは、○○法を行う自分自身の技術不足が原因だ。」と考えるかも知れません。

本来は、全く違う方法で、場合によっては簡単に上手くいくかも知れないところを、「○○法」を行うことが前提になっていると、結果の良し悪しは、その技術レベルに依存しているという思考になりやすいと思います。

前回の記事(#50 コンディショニングの共通認識を持つことについて)でも触れましたが、例えば、「コンディショニング」という観点で考えれば、抽象度も上がって視野が広がり、見えていなかった他の選択肢が見える可能性もあると思います。

まとめ

何かを熱心に時間とお金と労力を費やして学び、それに関する知識や技術レベルが向上すると、それを以って殆どのことを解決出来ると考え、もしかしたらそれを用いることが前提になるかも知れません。

「それを使いたくなる」というのはあると思いますが、それを使うことが目的ではなく、「対象者にとってより良い結果を出す」ことに立ち返れば、案外シンプルな方法が思い浮かぶこともあると思います。「正しい」「適切な」といった肯定的な言葉が、知らぬ間に視野を狭めていることもあると感じます。

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