(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

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#54 レジスタンストレーニングによる弊害?

2017/09/17

「レジスタンストレーニングで得た筋力はスポーツでは使えない」といった主張は、昔からあるように思います。この主張だけではどのような想定をしているかなど、わからないことばかりなので、その先の話を聴かないと何とも言えません。

どのようなレジスタンストレーニングをどのように行うのか、どのようなスポーツのどのような動作なのか、どのように適応させるかというプロセスなど、考えることは数多くあると思います。

運動制御と運動学習の観点は不可欠だと考えていますが、今回はそのような話ではなく、「レジスタンストレーニングによる弊害があるとすれば何か?」ということを考えてみます。今回は特に参考文献などは用いません。あくまでも個人的な考えです。

個人的な話から入りますが、中学生の時に水泳部に所属していて、屋内プールはありませんでしたから、体力トレーニングに割く時間は多くありました。レジスタンストレーニングも熱心にやっていたように思います(もちろん質は低い)。

「筋力・パワーが向上すれば速くなる」と考えていましたし、あくまでレジスタンストレーニングにおける筋力やパワーは向上していきますから、「向上した筋力・パワーを活かして泳ぐ」という発想がありました。

もともと、綺麗とは言えない水泳のフォームでしたから、「がむしゃらさ」が増したフォームとなりました。しかしそこそこタイムは向上していましたから、レジスタンストレーニングの効果が大きいと考えていました。

実際には、練習で泳いでいるわけですし、もともと速いわけではなかったので、伸びしろがあったという部分も大きいと今になってみれば色々考えることが出来ます。

「がむしゃらさが増したフォーム」になったことが、「レジスタンストレーニングの弊害」ではありません。これはあくまで、当時の私の考えが短絡的であったという話です。

「筋力・パワーが向上することで、パフォーマンスが向上する」ということ自体は、十分にあり得る話ですが、その向上した筋力やパワーがどのように活きるのか・どのように活かすのかという部分は、十分に考える必要があると思います。

格闘技の選手がレジスタンストレーニングに励んでいる様子がテレビで流れていて、実際の試合を観ていると今までのスタイルとは違う闘い方をしているように思えることが時々ありました。例えば、もともとの上手さよりも、強引さが目立つといったことです(そう観えるという話ですが)。

ある元プロボクサーにそのような話をした時に、「心当たりがある」という話をされていました。体力が向上することで結果的にその体力を無駄遣いするようなスタイルになることは、他の格闘技をされていた方も経験があると仰っていました。

あくまで、今までの話は経験的な部分に基づくことではありますが、レジスタンストレーニングなどのフィジカルトレーニング自体が、パフォーマンスにネガティブな影響を与えるといった話ではなく、選手自身がフィジカルトレーニングに取り組むことで、どのようなパフォーマンスをイメージしているのかを確認する必要があるのかも知れません。

レジスタンストレーニング自体が、選手のスキルを低下させる要因になるというよりも、選手の認識によっては今までのスキルを犠牲にする方向に進む可能性もあるという考え方もあると思います。

レジスタンストレーニングはレジスタンストレーニング、スポーツはスポーツ、基本動作は基本動作、そのような区切り方も便宜的には出来ますが、筋力やパワーといった体力要素はあくまで要素であり、「身体とは」「運動とは」「上達とは」といった部分を考える必要はあると考えています。

今回はあくまで個人的に考える可能性の話ですが、またの機会に少し具体的な話に触れたいと思います。

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