(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

指導関連 考え方

#56 最初に横になってもらうリハビリはダメ?

2017/09/17

例えば、車椅子や歩いてリハビリ室に患者さんが来られたとして、最初にプラットホームやセザムベッドに横になってもらうことについて、批判的な意見があります。

「最初に横になるのはおかしい」「臥位の前に出来る評価があるはずだ」など、批判的な意見といっても様々あると思います。個人的には、意図があるかどうか、ケースバイケース、と考えていますが、それでは話が終わるので少し展開します。

まず、「最初に横になるのはおかしい」という意見ですが、特に意味もなく何となくセラピストの習慣になっているのなら、確かにおかしいかも知れません。「動くことが大事なのに〜」という意味が含まれていることもあります。しかしながら必ずしも、「横になる=受動的」というわけではありません。

プラットホームであれば、セザムベッドや病室のベッドより広いですから、寝返りや起き上がり、その他広いスペースを活用した介入が出来ます。

「最初に横になってマッサージから始まるのはおかしい」という意見もあります。確かに適切とは言えないケースもあると思います。ちなみに、「マッサージ」自体を否定的に捉えるセラピストもいますが、子供が親にするようなものではなく、必要と判断し適切な方法を用いるのであれば、否定すべきものでもないと思います。マッサージと言っても、学派によって「横断的マッサージ」、「機能的マッサージ」といったように、様々な種類があります。

「臥位の前に出来る評価があるはずだ」というのは、確かにそうだと思いますが、例えば初めてではなく、ある程度問題点を把握しているケースもあるでしょうし、車椅子の坐位姿勢や移乗動作、歩容など、横になってもらうとしても、その前にいくつか確認出来ることもあると思います。もちろんそれで十分というわけではありませんが。

ただ、その日の介入前と介入後を確認するならやはり、最初に確認する必要があります。それが例えば歩行だとすれば、最初に歩行を確認する必要はあります。ただこれもケースバイケースで、歩行をする為に必要な準備(装具の脱着、BWSTTの準備、環境設定など)に時間がかかる、患者さんの体力の問題などによって、介入前を確認することを省くケースもあると思います。この場合は、比較対象は前回の動作になるかも知れません。

展開の方法ですが、跛行の原因と推測することについて、立位や坐位よりも「まず」臥位の方がアプローチしやすいことがあれば、横になってもらうことには意図があります。もちろん最終的に歩容であれば、立位、歩行といったように展開する必要はあると思います。このような意図があれば、「とりあえず横になってもらう」とは違ってきます。

実際の動作について介入する、つまり適切であり習得可能と考える運動制御、運動学習を図ることを目的とするならば、その目的を常に頭に入れて、臥位であれ坐位であれ立位であれ、それぞれを分断して考えずに関連を意識した介入を心掛ける必要があると考えています。

また、臥位、坐位、立位といった大まかな分類だけでなく、例えばkneelingなら、half kneeling、prone kneelingなど細かく分けることが出来ますし、名称がなくても姿勢のバリエーションは数多くありますから、難易度設定においても繋がりのある展開を図るためには、そういったよりベターなバリエーションからの選択が重要だと思います。

目的が不明確なまま、とりあえず横になってもらって、「凝ってますね〜」と全身をとりあえずマッサージして、姿勢も運動軸も可動域も抵抗量も収縮形態も考えず適当な抵抗運動をして、「さて歩きましょうか」という展開を繰り返すだけなら、批判されても仕方ないかも知れません(ちなみに慰安的なマッサージ自体が必ずしもダメだとは思っていません)。

実際は様々なケースがありますし、介入自体も様々あるはずですから、「こうすべきだ」という話ではなく、最初に書いたように「意図があるかどうか」が重要だと考えています。それは結局のところ、目的を達成する上で適切なのか、よりベターな方法はないかを考えることだと思います。

ですから、横になった方が良いと判断すれば横になっていただく、横になる必要がないと判断すれば横にならない、という話だと考えています。

個人的には自問自答することによって、「しっくりこない」「あまり考えられていない」ことに気づくことがよくあります。というより後から考えれば殆どそうかも知れません。例えば実習生がいると説明したり、質問に答えることで、気づいたり、より思考が整理されていきますから、実習生がいるのはありがたいです(と、もうすぐCV、SVと連続で控えている自分自身に書いてみました)。

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