(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

トレーニング 勉強関連 考え方

#66 NSCAのエッセンシャルを読むという選択肢

2018/01/05

様々な情報に触れやすくなった一方…

今はネットで検索すれば様々な情報に触れることが出来ますし、無料でも信頼性の高い情報をまとめているものも数多くあります。一方でその反対とも言えるようなものも数多くあります。

考え方といったものであれば、「それもひとつの考え方」「そういう視点もある」というように、参考になるかも知れませんが、明らかに根拠のないもの、デタラメなものがあったとして、それを判断出来なければ不適切な指導に繋がるなど、問題があると言えます。

例えば、トレーニング指導において必要な知識は、(時に形骸化した)トレーニングの方法を知っているだけでは、明らかに不十分なのは明白です。それでは適切な情報の取捨選択や解釈はかなり難しいと思います。

様々な実践者や指導者の考え方や意見は参考になるかも知れませんが、それが仮に明らかに根拠のないもの、デタラメなもの、そうとは言えなくとも個人の経験というn1の話といったものが、多分に含まれている可能性があります。

ある論文を根拠に話をしていたとしても、その解釈が不適切であったり、そもそもその論文を引き合いに出すのは文脈的におかしいこともあると思いますが、論文を引き合いに出されると、「正しそう」という印象を持ちやすいかも知れません。

そういったことを出来るだけ回避する、そういったことに後々にでも疑問を持つ、そういった作業を含めたいわゆる情報リテラシーを向上させるためには、やはりその分野におけるエビデンスを知ることは不可欠と言えます。

トレーニング指導におけるエビデンスに触れるひとつの方法として、「NSCAのエッセンシャルを読む」という選択肢があります。もちろんそれで十分であるはずはないですが、各分野の専門家がそれぞれの分野についてまとめているわけですから、手軽にエビデンスに触れることが出来ます。

【目次】

第1部 運動科学の概念と適用

第1章 筋系、神経系、心臓血管系、呼吸器系の構造と機能

第2章 運動とトレーニングの生体エネルギー論

第3章 レジスタンスエクササイズの対する内分泌系の応答

第4章 レジスタンストレーニングのバイオメカニクス

第5章 無酸素系トレーニングプログラムへの適応

第6章 有酸素性持久力トレーニングプログラムによる適応

第7章 年齢差・性差とレジスタンスエクササイズ

第8章 競技への準備とパフォーマンスの心理学

第9章 パフォーマンスを増強させる物質

第10章 健康とパフォーマンスにおける栄養学的要因

第2部 測定と評価

第11章 テストの選択と実施の原則

第12章 選択したテストの実施、スコアの記録、解釈

第3部 エクササイズのテクニック

第13章 ウォームアップとストレッチング

第14章 レジスタンストレーニングと補助テクニック

第4部 プログラムデザイン

第15章 レジスタンストレーニング

第16章 プライオメトリックトレーニング

第17章 スピード、アジリティ、スピード持久力の向上

第18章 有酸素性持久力トレーニング

第19章 ピリオダイゼーション

第20章 リハビリテーションとリコンディショニング

第5部 構成と運営

第21章 施設の運営とリスクマネジメント

第22章 施設運営の方針と手順のマニュアル作成

※日本語第4版が出る予定です

目次を確認するだけでも、トレーニング指導に必要な知識というのは、多岐に渡ると考えられます。個人的には他にもかなり重要なものはあると考えていますが、私如きが言うまでもなく、各専門家が集まってまとめた、非常に有益なものだと思います。

当然のことながら参考文献も明記されており、その数は2000近くに及びます(正確には1855)。ですから、詳細を確認したければ、その文献をあたることが出来るわけです。

こういった内容を学んで、第三者にある程度は理解していますよと認定されるのが、試験の合格であり、その証明が資格となります。資格を持っているからと言って、持っていない人より知識があるかと言えば、そうとは言えませんが、証明として手っ取り早いとは言えると思います。

最低限これくらいは押さえておいてねという程度ではありますが、その前提があることで、情報リテラシーという面においても、一定の根拠をもって指導にあたることが出来るという意味においても、意義はあると思います。

また、専門職間の共通言語や共通認識を持つことによって、齟齬が少ない円滑なコミュニケーションを図るという面においても、重要だと言えます。

まとめ

知識は日々更新されるものと言えますが、何かしらの基礎となるものがなければ、基準がないが故に差異が認識出来ず、行き当たりばったりにもなりかねないと思います。

「NSCAのエッセンシャルを読む」というのは、あくまで例であり、選択肢の1つに過ぎないかも知れませんが、トレーニング指導に携わるのであれば、個人的には優先順位は低くないと考えています。

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