(リ)コンディショニングメモ

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考え方

「理学療法士という専門職」と「○○専門の理学療法士」

2018/08/24

スペシャリストとジェネラリスト?

「スペシャリストかジェネラリストか?」という視点があるようで、以前勤務していた会社でもそのような話題がありました。

スペシャリストはジェネラリストよりも限定された分野に精通しており、ジェネラリストはスペシャリストよりも多くの分野に精通しているという捉え方があります。

才能、環境、時間、お金といった様々な要素が関係すると思いますが、それら有限の要素を考えれば、特定の分野に関してはジェネラリストよりもスペシャリストの方が精通していると考えられます。

こういった話は、スペシャリストと言えども、特定の分野(ここでは専門分野としておきます)だけでなく、他の分野に触れることで、視野が広がったりヒントを得ることで、専門分野にポジティブな影響を与えるという話もあります。

もちろんそういうことも多いにあり得ると思います。しかし、「あまり直接的に関係ないかも知れないけど、何か役に立つかも知れない」ということなら、きりがないですし、どれくらい役に立つのかもわかりません(何でもそうとも言えますが)。

それが良い悪いという話ではなく、そういう動機もあれば、単純に興味がある、面白そうという動機もあるでしょうし、いつも専門分野のことを基礎として物事を考える人もいれば、仕事は仕事、それ以外はそれ以外という人もいると思います。

つまり、こういう話は何が良い悪い、正しい間違っているという方向で語るのは難しいと言いますか、無理があるように思います。

専門をどう捉えるか

そしてもうひとつは、「専門分野」の捉え方もそれぞれで違うかも知れません。私の場合は理学療法士ですが、理学療法という専門分野という分類もありますし、理学療法士の中でも、脳卒中専門、運動器専門といった、いわゆる疾患別という専門分野といった分類もあります。

「では、運動器疾患の患者さんが脳卒中になったら、誰が担当するのが望ましいのか?」という話にもなってきます。

しかし、そもそも理学療法士になるために必要な共通の教育を受けているわけですから、脳卒中専門、運動器専門と謳っていたとしても、それ以外にも対応出来る基礎は有している、もしくは何を学ぶべきかをある程度知っていると思います。

同じ理学療法士と言えども、働く環境によって対象者の傾向も違うので、脳卒中の患者さんを多く担当する理学療法士もいれば、運動器の患者さんを多く担当する理学療法士もいます。もちろんそれ以外にも様々あります。

毎日多くの脳卒中の患者さんを担当していれば、多くの経験、知識や技術を積むことが出来ますし、同じ脳卒中と言っても、一括りに出来ないことは、特に脳卒中の患者さんをたくさん担当している理学療法士はよく知っていると思います。

取り組みの優先順位?

脳卒中の患者さんが殆どで、脊髄損傷の患者さんを担当することがない理学療法士が、脊髄損傷の勉強をすることで得られることはないとは思いませんが、優先順位としては高くないかも知れません。

それよりも、脳卒中に関する文献を常に確認したり、脳卒中に関する知識や技術を磨く、脳卒中に関する研究をする、また、脳卒中や運動器といった分類に関係なく、例えば解剖学、運動学、生理学、神経科学といった基礎知識を学ぶことの方が優先順位としては高いかも知れません。

脳卒中の患者さんをたくさん担当することで得られることと、脳卒中に限らずさまざまな患者さんを担当することの、どちらが良いかという考えもありますが、それを両立することは出来ませんし、それぞれにポジティブな要素とそうでない要素はあるでしょうから、比べようがないとも言えます。

ですから、結局自身のおかれた環境や立場で、やれることをやるということだと思います。それが自身の専門性(専門能力)に繋がってくると思います。

最後に

結局のところ、同時に出来ることというのは限られているわけですし、環境によって対象者も変化するわけですから、スペシャリストかジェネラリストかといった話は、具体的なケースを想定して考えないと、不毛な議論に終わる気がします。そもそもそういった分類が必要なのかと思えることもあります。

何かを専門にすることで、その専門を掘り下げる作業もあるでしょうし、広げていく作業もあると思います。そういった作業の過程で、例えば、哲学や心理学といった知識の必要性を感じて学ぶかも知れません。

そういった過程によって、その人をジェネラリストに分類する人もいるかも知れません。しかし、哲学や心理学を専門にしている人には殆どの場合は敵わないわけですから、精通しているという程度をどのように設定するかという話は難しいと思います。

結局は、先ほども書いたように、自身のおかれた環境と立場で、やれることをやるということだと思います。また、その「やれること」が、もっとあるかも知れないという視点を持っておくことも大事だと考えています。そういう意味においては、視野を広げる機会は必要だと思います。

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