(リ)コンディショニングメモ

主にトレーニング、理学療法、リハビリテーションに関することについて。理学療法士が書いています。

考え方

#84 リピーターの多い治療院は治せていないのか?

「リピーターが多いということは、治せていないということだ」という意見があり、確かにその可能性もあると思います。その場しのぎで、「その時は気持ちが良かった」「すっきり治った気がした」、しかし数時間後、数日後には症状は元通りということもあると思います。

その繰り返しを延々と続けていくとすれば、「治せていない」と言えるかも知れません。しかし単純でないのは、治療する側に能力がないのか、意図してリピートを図っているのか、患者さんが治ろうとしていないのか、本当に治るものなのかといったように、実際には複雑な問題もあるかも知れません。

「治す」「治る」とは?

しかしながら、そもそも「治す」「治る」とは何か?ということも考える必要があります。元通りになること、症状がなくなること、新たに学習することなど、何を指すのかでも変わってきます(参考記事:#69 自然回復と代償動作について)。

マイナスからゼロを目標と考え、それにはそれほど時間を要さないと考えていれば、「リピーターが多いということは、治せていないということだ」という発想になるかも知れませんが、時間を要するケースもある、プラスの方向に持っていくことを含めると、また発想が変わってくると思います(参考記事:#58 「メディカル系」はマイナスからゼロまでの仕事?)。

つまり、「治りたい」と「もっと良くなりたい」では、対象者の気持ちは大きく違ってくるでしょうし、「もっと良くなる」を目標にすると、リピーターになってもおかしくないかも知れません。

理学療法のケースにおいても、例えば、自宅内を歩けるようになる、外を歩けるようになる、ジョグが出来るようになる、スポーツが出来るようになるというように、「もっと」を求められる、「もっと」を提案することもあると思います。

依存させてはダメ?

「患者さんを依存させてはダメだ」「一人で出来るようにすることが大事」といったことを、理学療法士が話すこともあります。そういった側面もあるとは思いますが、必要であれば活用すれば良いと思いますし、一人で出来ないケースもあるわけですから、それも必要な分は理学療法に限らず、可能であれば活用すれば良いと思います。

「もっと良くなる」ためには、対象者自身に求められる取り組みのレベルも高くなってくるでしょうし、専門職も「もっと良くなる」に応えられるだけの能力が必要になります(一職種だけで対応すべきという意味ではありません)。

美容師さんの目標が、「お客さんが1人で美容師にしてもらうレベルで、カットが出来るようになること」かと言えば、中にはそういう美容師さんもいるかも知れませんが、割合としてはそう多くはないと思います。

利用する客の立場とすれば、プロだからこそ出来る仕事を求めているということもあると思います。その中で、自分に合ったシャンプーやトリートメントの選び方、髪の洗い方や乾かし方、整髪料の選び方や使い方など、自分で出来ることを知っていくというプロセスもあると思います。

もちろん中には、1人でカット出来るようになる、上手くなっていく、それで十分と考える人もいると思います。ちなみに一時期は私自身も1人でカットしていましたが、やはりプロに任せた方が良いと今は考えています。

まとめ

「治療院」「病院(でのリハビリテーション)」という肩書きだと、確かにマイナスからゼロという部分を担うイメージを想起しやすいと思いますが、「もっと良くなる」という部分も担う、その能力があるから「リピートしている」というケースもあるかも知れません。

また、「能力があればすぐに治る」かと言えば、そうではないケースもありますから、「リピートが必要」ということもあると思います。

今回の話は、様々なケースは考えられますが、「もっと良くなりたい」に応えるために必要なことを考えて取り組むことは、専門職としては大事なことだと考えています。

※どこまでが医療保険の範疇かという部分については、ここでは触れていないという点は確認しておきます。また、「治る」、「良くなる」の定義づけはあえてしていません。

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